口コミサイト 嘘の苦情で実害も

やらせ業者の存在が口コミサイトの信頼性を大きく揺るがす一方で、書かれる側の店舗からは、サイト側の運営方法などにも疑問の声があがっている。

 全国各地のすし店約8000店が加盟する全国すし商生活衛生同業組合連合会(東京都、全すし連)では、口コミサイト「食べログ」について、加盟店からの苦情や相談が昨年秋から増加しているという。全すし連によると、メニューにない商品についての苦情が書かれていたり、「来店日」が休業中だったりする書き込みが確認された。サイト運営会社に伝えても「書き込んだ人が『店には行った』と主張して、削除されないケースもある」(全すし連)という。

 全すし連は「悪意の書き込みが原因で団体客が予約をキャンセルするなどの実害が出た店もある」とする。「店主は高齢の職人も多く、食べログの存在自体を知らない人も多い。事実無根の書き込みがあっても店は気がつかず、ある日突然お客さんが減るというケースもある」

 このため全すし連は、加盟店が事実と違う書き込みをされていないか、確認する調査に乗り出している。担当者は「飲食店にとって死活問題。法改正や、運営側の対策強化を求めていきたい」と話している。

 食べログを運営するカカクコム(東京都)は、やらせ業者39社を特定し業務停止などを求める提訴も検討している。しかし、個別の書き込みについては「削除要請があった際は、事実関係を確認し、ユーザーに口コミの修正を依頼したり、削除することもある。ただ、事実と異なるか確認できないなどの理由から要請に応えられない場合もある」とコメントしている。